【町子の日常 ♯1】町子、でかける

朝、十時。町子は目を覚ました。 身体中に残る倦怠感はすっかりその存在感を薄め、快適な目覚めと言って良い。 長年付き合ってきた倦怠感とこうも簡単におさらばできるのか、とちょっと驚いた。 町子はこの秋、三年勤めた会社を退職した。 理由は様々ある。とにもかくにも「今辞めねばいつ辞める」と言う状況だった。少な…